新鮮

頑張らないために頑張る

デスマーチは続くよどこまでも

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丸投げしていること、そして良いシステムでも無闇に展開できないことに疑問を持ちつつ、僕はユーザ SE 業務にどっぷり浸かりはじめることになる。

そしてはじめてのデスマーチに遭遇する。

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ファイトー!

感動した書籍 SE職場の真実 どんづまりから見上げた空 に触発された連載記事です。情報システム開発で不幸になる方を一人でも減らすため、ユーザ SE 体験を小説形式(フィクション多め)でツラツラ書いています。全編はカテゴリ ユーザ SE の真実

夢の情報システム

僕が担当するシステムのひとつに NW 機器の構成管理 DB があった。

業務部門に所属していた時代からこの構成管理 DB の存在は噂になっていた。曰く、ローンチ後は全国津々浦々に存在する NW 機器一覧のデータが自席 PC で即座に分かるのだという。それは僕にとって夢だった。

すこし背景を話そう。

当時、NW 機器のデータは全国の各支部が個別に管理していた。機器数の多い関東支部では DB システムで管理している一方、機器数の少ない四国支部ではエクセルファイルで管理しているといった具合である。

そのため「全国の NW 機器一覧を作ろう」と思ったら、各支店の担当者にお願いして 1 週間後にデータを受け取り、別々のフォーマットを統一形式に変換した独自リストを作ってから業務に仕掛りできる。正直、仕事にならない。

ところが、この構成管理 DB がローンチすると、誰に依頼しなくても即座に NW 機器一覧が手に入るというのだ。いままで頭を下げてもらっていたデータが、手間もなくあっという間に手に入る。そんな夢物語が世の中にあるのか?と業務部門時代の僕はウキウキしてたものだ。もちろん僕に限らず業務部門全てが渇望していた DB である。

 

はじめてのデスマーチ

さて、そんな構成管理 DB は開発が遅延しローンチが 1 年延伸していた。僕はそんなことは露も知らず、最終工程の受入試験にテスターとして参加することになった。そこで初めてデスマーチに出会うことになる。

まず先輩に訊く。

僕「何をテストすればいいですか?」

先輩「SIer さんの総合試験項目をなぞって」

意味不明である。SIer さんが試験し終わった項目をもう一度やれという。試験は終わっているはずなのでもう一回やるのは無意味ではないのか?というか、丸投げとはいえテスト項目はユーザで作らなければいけないのではないのか?そんな疑問が残りつつも、とりあえず言われた通りにテストをしてみる。

とある連携ファイルを収集した途端、100 件近いエラーメッセージが出る。

僕「たくさんエラー出ましたけど?」

先輩「あちゃあ・・」

またしても意味不明である。

先輩「ここに収集仕様書があるから、エラー原因探ってみて」

僕「はい」

出てきたエラーメッセージを頼りに原因を探ってみる。どうもエクセルファイルを収集・解析している処理のようだが、元のエクセルファイルでセル結合しているのが悪さをしていてエラーになっているようだ。

僕「セル結合しているとダメみたいです」

先輩「そっか、ありがと」

そういうと先輩は仕様変更管理簿にその旨を記載し SIer に送付した。その流れを約 50 ファイル繰り返す。エラーが発生しないファイルはひとつもなく、そして全てのエラーは仕様変更として不具合修正依頼を重ねていった。

 

デスマーチは続くよどこまでも

まるで地獄だった。

毎週のように修正版ソフトウェアをリリースする。そしてリリースした後に再度テストをするとまた大量のエラーが出て仕様変更を繰り返す。毎日終電までテストし、原因調査し、リリース立会し、そして仕様変更協議を繰り返していた。

「この不毛な時間はいつになったら終わるのか・・」

毎日 SIer さんと打ち合わせをしていたが、まるでお通夜である。積み上がる仕様変更管理簿を前に、ただただため息だけのユーザ側と、死んだ眼をした SIer 担当者。すでにお互い言い争いもなく、はい、はい、を繰り返すだけのマシーンになっていた。

いつ終わるともしれない終電生活。気が付くと世間は夏になっていた。

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そんなの何ヶ月も続けたの!?

そーだよ。

おわり。

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SE職場の真実 どんづまりから見上げた空

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